2009/6/30
posted by: 寺脇 研 | category: その他, 映画
六月の本州を、東西南北に大旅行しました。
1日目は東京から大阪。これは、乗り慣れた東海道新幹線の旅です。2日目が大旅行。京都から東京を経て山形新幹線で山形へ。そこでの仕事を終えて山形から東京へ。3日目は東京から越後湯沢。4日目に越後湯沢から直江津へ行って仕事の後、直江津から東京へ帰りました。4日で2400kmにわたる鉄道旅行をしたわけです。
たいへん? いや、楽しかったですよ。
もともとわたしは鉄道旅行が好きなのです。いわゆる「鉄ちゃん」鉄道マニアの「乗り鉄」とは違いますが、飛行機での移動に比べるとはるかに鉄道が好きで、乗るのが苦になりません。そういえば、小学校の5,6年生の頃は時刻表マニアで、紙の上で日本一周鉄道旅行の計画を立てたりしていましたから、いくぶんは「鉄ちゃん」的要素を持っているのでしょう。
六月の山形の新緑、田植えの終わった水田で風にそよぐ早苗を見るのは毎年のことながら気持がいいことです。越後湯沢では温泉に泊まりました。夏至の直後で陽の長い季節、明るい夕方に露天風呂で越後の山並みを眺めました。そして直江津=上越市といえば放映中のNHK大河ドラマ「天地人」の舞台とあって賑わっています。日本海の雄大な眺め、そこに沈んでいく夕日… 上杉謙信や直江兼続も、この美しい景色を見たのでしょう。
食べるのも鉄道の旅の楽しみです。京都→山形→東京の旅をした日は、朝が京都駅にある京都の老舗パン屋「志津屋」で買ったサンドイッチ。昼は東京駅にある各地の駅弁を集めている専門店で買った八戸駅名物の鯖と紅鮭の押し寿司「小唄寿司」の発売50周年の記念商品である「50周年記念小唄寿司」、鯖と紅鮭に加えておぼろ昆布巻が入っていて上品な印象でした。夜は山形駅で買った鶏の弁当。
食べるといえば直江津では、日本海を一望できる海辺の料亭で地元の魚を食べさせてもらいました。甘エビ、鯖、鰤の刺身に甘鯛の塩焼き、そして特産の角張って歯ごたえのあるヒジキを堪能しました。
旅というのは日常とは違う体験をする機会です。だからこそ楽しいのではないでしょうか。
寺脇研 今週の映画レビュー
◎=ぜひお薦め ○=余裕があれば観てください ●=わたしはウンザリ
| 嗚呼 満蒙開拓団 |
◎ |
| 真夏のオリオン |
|
| 斜陽 |
● |
| ガマの油 |
● |
| 群青 愛が沈んだ海の色 |
◎ |
| ウルトラミラクルラブストーリー |
○ |
| ディア・ドクター |
◎ |
| ハイキック・ガール! |
|
2009/6/23
posted by: 寺脇 研 | category: その他, 映画
久しぶりに一週間の半分くらいの行動日記を披露しましょう。
14日日曜はカタリバ大学の正式発足「第1講」の日。教育をテーマに鈴木寛参議院議員、NPO法人教育支援協会代表理事の吉田博彦さんと、集まった若者たちと共に議論しました。
15日月曜は映画を1本観てから八王子の中央大学法学部で政治学の講義。友人の広岡守穂教授に頼まれて、この日から5回だけ、月曜日に授業をします。去年からのことですが、今年の学生は去年以上に反応がよくて、こちらにとっても刺激的でした。終わってから登戸で神奈川県開成町の露木町長、昨日に続き吉田博彦さんの3人による密議。内容は、今は詳しく明かせませんが日本の未来へ向けての提言づくりです。まとまったら、このコラムでも公表しましょう。終えた後、霞ヶ関へ行って、今度在仏日本大使館に赴任する文部科学省時代の後輩の壮行会。
16日火曜は昼間映画を3本観た後に夜は昨日と同じ後輩の壮行会を別のメンバーで。
17日水曜。映画を1本観て、その後朝日新聞の文化政策に関するインタビューを受けました。それから、関係する財団法人の理事会。終えて、4月21日、28日のコラムでご紹介したジャパン・フィルムコミッションの事務局に立ち寄り理事長としての仕事を少々。それから、映画雑誌「映画芸術」の編集部でドイツ人の日本近現代史研究家である上智大学のサーラ准教授とドイツ、日本の映画に見る戦争責任の問題についての対談をしました。とても面白い議論になりました。終わって、サーラさん、担当編集者と遅い夕食。
18日木曜。映画2本観た後に韓国大使館日本文化院の30周年と新施設移転を祝うパーティ。その後、同じパーティに出席の渋谷シアター・イメージフォーラム代表富山加津江さんと食事してから一緒に新宿のバーへ。尊敬する学者の西部邁先生、芸術家の秋山祐徳太子さんが飲んでいるのに遭遇して合流しました。
…というような調子で一週間は過ぎて行きます。
寺脇研 今週の映画レビュー
◎=ぜひお薦め ○=余裕があれば観てください ●=わたしはウンザリ
| それでも恋するバルセロナ |
● |
| レスラー |
○ |
| ゆずり葉 |
◎ |
| USB |
|
| ターミネーター4 |
● |
| ジャイブ 海風に吹かれて |
○ |
| 築城せよ! |
◎ |
2009/6/16
posted by: 寺脇 研 | category: 映画, 落語
6月5日の晩、新しい落語会が誕生しました。場所は巣鴨の小さなライブスポットで観客も30人程度でしたが、熱気にあふれる会でした。名付けて「志ん生座」。落語史上に残る名人といわれる五代目古今亭志ん生に敬意を捧げる企画です。志ん生を尊敬する一座、すなわち「志ん生座」なのです。他には前から、近代落語を完成させたといわれる明治の名人三遊亭円朝を崇める「円朝座」もあります。
志ん生の得意とした落語を、敬意をもって演じるのが「志ん生座」たるゆえんです。この日は、『あくび指南』『白木屋』『替わり目』『井戸の茶碗』の4席が、後輩の落語家たちによって演じられました。プロデュースするのは、志ん生の弟子で次男の三代目古今亭志ん朝の弟子、つまり志ん生の孫弟子になる古今亭八朝です。
ただ、演じるのは桂歌丸門下の桂歌春、立川談志門下の立川談四楼など、他の一門の落語家も交じっています。つまり、一門の芸の継承というのではなく、落語界全体で志ん生という昭和の名人の業績を受け継いでいこうというわけです。これが、落語が伝承の芸だとされる理由ではないでしょうか。過去の名人の芸を現在の落語家たちが敬意をもって追いかけてみるのです。
この「志ん生座」、年4回ほどのペースで開かれる予定です。さまざまな流派のさまざまな落語家が志ん生の得意ネタに挑む、その試みに注目しています。
ところで、先週の映画レビューで強くお薦めした『The Harimaya Bridge はりまや橋』は、アメリカ人と日本人、白人と黒人、同胞とガイジン… さまざまな違い、そこから生まれる差別をどのように乗り越えていくかがテーマです。それが、高知の田舎の緑あふれる美しい景色の中で繰り広げられます。
ALT(英語指導主事助手)として高知で働いた経験を持つアロン・ウルフォーク監督は、自身の体験をもふまえながら、十分日本を理解した視点で物語を進めます。人間と人間の違いとは、そしてそれをどう互いが認識し互いを認め合っていくかを、考えさせてくれる映画です。
日、米、韓国の合作ということで、この3国で公開されるのが、またすばらしいことだと思います。ここで描かれるのは日本とアメリカですが、それは韓国と日本、韓国とアメリカの間でも同じように起こることだからです。
寺脇研 今週の映画レビュー
◎=ぜひお薦め ○=余裕があれば観てください ●=わたしはウンザリ
2009/6/9
posted by: 寺脇 研 | category: 映画, 激弾BKYU, 演劇
先週ご紹介した激弾BKYUの芝居『熱海殺人事件』は、Band-a-part公演というスタイルをとっていました。Band-a-part公演? 実は、わたしも初めて観るやり方でした。
出演俳優は公演の2ヶ月前に台本を渡され、自分の役がどんなキャラクターなのか、それをどう演じるかを自分自身で考えます。それを持ち寄って本番前数回の稽古で息を合わせ噛み合った芝居にしていく… つまり演出家なしに役者ひとりひとりが自己演出するのです。Band-a-partとは、すべての役(a-part)が各俳優の自己演出による、演出家不在の集団(Band)なのだそうです。
それを成立させるのですから、役者たちの間には、まさにあうんの呼吸が求められます。来年25周年を迎える長く続いた劇団だからこそできる芸当なのです。そして出来上がった舞台は、みごとなものでした。
しかし、このBand-a-partのやり方は、わたしたちの社会をよりよいものにしていくためにも有用なものかもしれません。演出家=政治家や役人といった指導者に従って個人としての自分の役割を果たしていくのでなく、ひとりひとろが社会のために何ができるかを考え自ら実行していく… 自立した個人が主体的に社会を組み立てていく思想につながるのではないかと思いました。
青年団を率いて世界的に活躍している劇作家・演出家の平田オリザさんは、政治や社会運営に演劇の考え方を取り入れる必要性を以前から強く主張していました。個人ひとりひとりが社会の中で自分の役割を考えることにつながるという思いからだったのではないでしょうか。
わたしも賛成です。今回の激弾BKYUの試みは、そうしたことについてさらに深く思いを致させてくれました。
演劇にしても映画にしても、芸術文化と社会は密接につながっているのです。
寺脇研 今週の映画レビュー
◎=ぜひお薦め ○=余裕があれば観てください ●=わたしはウンザリ
| BABY BABY BABY! |
● |
| 浪漫者たち |
|
| はりまや橋 |
◎ |
2009/6/2
posted by: 寺脇 研 | category: 映画, 激弾BKYU, 演劇
映画『3つの港の物語』は、横浜開港150周年記念のプロジェクトとして横浜市が製作した映画です。注目すべきは、日本、韓国、中国の映画学校が協力し、それぞれ1本の短編映画を作ってオムニバス形式で1本の作品に構成している点です。
開港記念ですから港がテーマ。北京電影学院のリ・ファンジン監督が作ったのは、チンタオ(青島)の港を舞台にした『Fish & Bird』。韓国映画アカデミーのキム・ヒョジュン監督はインチョン(仁川)港を描いた『聾魚(ろうぎょ)と月』。日本映画学校の渡辺紘文監督が横浜港を舞台にして作ったのは『桟橋』。
どれも、なかなかの出来映えです。特にすぐれているのは『聾魚(ろうぎょ)と月』でした。若い女性の監督が、港近くの汚くて小さな刺身食堂を切り盛りするもう若くはない女性と、障害を持つ兄との静かな暮らしがみごとに描かれます。
映画を学ぶアジアの若者たちが一緒に映画を作るというこの試みは、どんな記念行事よりも意義のあるものだと思います。この映画は、当面横浜市内各所で無料上映会が開かれる予定だそうですが、ぜひ、全国各地での上映を行ってほしいものです。
【上映の情報は http://www.movie150.com/ 】
29日に行われた披露上映の翌日30日は、このコラムではおなじみの激弾BKYUの公演を観に行きました。今回の演目は、つかこうへいの名作『熱海殺人事件』。いつものように座長・酒井晴人の書いたオリジナルではなく、この有名な作品をBKYUならではのスタイルで上演する新しい企てです。
著作権や著作者人格権を振り回して、自分の作品を改変することを許さない狭量な作家(だいたいは小説家)が多い中、つかさんは、どうぞ自由に新しい解釈や演出を加えてください、という姿勢なのだそうです。これでこそ芸術家。
おかげで新しい勢いを持った面白い舞台が出来上がりました。BKYU所属の9人の役者の持ち味が十分に発揮され、それがぶつかり合ってドラマを深めていくという理想的な展開になったのではないでしょうか。つかこうへいさん、ありがとう、と観客のわたしまで感謝したくなります。
打ち上げで、久しぶりにBKYUメンバーと美味しい酒を飲みました。
寺脇研 今週の映画レビュー
◎=ぜひお薦め ○=余裕があれば観てください ●=わたしはウンザリ
| 重力ピエロ |
● |
| チェイサー |
◎ |
| 弁天通りの人々 |
● |
| インスタント沼 |
○ |
| GOEMON |
● |
| 3つの港の物語 |
○ |
| 獣の交わり 天使とやる(ピンク映画) |
○ |
| 鈍獣 |
● |